ナスダックは本格的な調整相場になっています。ナスダックは最高値から約15%下がっており、4月ごろからの上昇を打ち消すような動きになっています。
僕が年初にNISA枠でいれたナスダックは円建てでは最高値から25%以上も落ちています。これまでにかなり上がっていたのでまだかろうじて含み益は残っていますが、その大部分を消し飛ばしてしまっています。
円高の加速も相まって日経平均は2日で10%以上も下落しており、歴史的な値動きになっています。
僕はそろそろ底値かと思って金曜日に買い増ししたのですが、少し早かったようです。このあたりで下げ止まってくれると良いのですが、これからどうなるのでしょうか。ナスダックのチャートを分析していきます。
【CME FEDWATCH TOOL】AGGREGATED MEETING PROBABILITIES
これまで調整局面に入っていたことに加えて、雇用統計で失業率が4.3%とかなり悪い数字が発表されたことによって株価は急落しました。
リセッション懸念がかなり高まっており、市場は9月に0.5%の2段階利下げを織り込みました。また、12月までに1.25%の急速な引き下げが予想されています。
米10年債利回りは3.8%まで落ちており、円高と株安の原因にもなっています。
見通しはかなり不透明ですが、政策金利は1年後の来年7月までに3.25あたりまで引き下げられると想定されています。
Real-time Sahm Rule Recession Indicator https://fred.stlouisfed.org/series/SAHMREALTIME
これはサームルール(Sahm rule)と呼ばれる、リセッションを予測する指標のひとつです。
過去1年の一番低かった失業率から、直近3カ月の平均失業率を引いた値で、0.5%を上回ると景気後退にだとされています。
現在の値は0.53%なので、この指標によるとすでに景気後退入りしてしまっているようです。
過去のグラフを見てみると、この数値が1年ほどかけて継続的に高まり、1%に達するようになると大きな経済ショックに繋がるようです。ただし、過去には0.4%まで上がったもののそこから下落して安定したこともあります。
これはあくまで現状を示した数値でしかなく、未来を予想するものではありません。景気後退が長引けば大きな株価下落に繋がりますが、短期的に改善できれば株価は持ち直します。
失業率の高さによって市場がショックを受けているものの、失業者の半数は災害による一時的な雇用停止だったという分析もあります。この雇用が戻ってくれば良いですがどうなるでしょうか。
大型株の決算が通過しましたが、まちまちといったところでした。
個別の決算よりも、景気後退懸念の影響の方が大きく、好決算を出したメタなども押し戻されています。半導体株や小売りのアマゾンなどは悪い経済指標が直接的に響いており、大きく下落しています。
大幅な反発をしていたテスラもレジサポラインとなる$200付近まで落ちてきており正念場です。
これまでは、悪材料は利下げに繋がるので株価を押し上げるというアベコベな状況が続いていましたが、悪材料で下げるという通常の相場に戻りつつあるのかもしれません。
ナスダック100は明確に下落トレンドに入っています。一度、10日線を上回る反発をしたものの、翌日にはまた5日線を下回る大きな下げとなってしまい、期待を裏切る値動きがさらなる売りに繋がっています。
20日線や25日線はかろうじて50日線の上にいますが、これを下回って50日線も下向きになってくるとかなり危険なチャートになります。
4月からの上昇はすでに76.4%戻しの水準まできており、今の$18,000で止まってくれないと全戻しの$17,000まで下げてしまいそうです。
50日線も下向いてきており、このあたりで下げ止まってくれないと2022年のような長期的な下げ相場になってしまいます。
週足RSIも50付近まで押し戻しており、過熱感はすっかり抜けています。これより下げてしまうと、今度は弱気相場になってしまうのでこのあたりで下げ止まってくれないと困ります。
仮にさらなる大幅な下げが来ると、年初にレジサポラインとして急伸した$16,500、昨年10月の下落底値と50カ月線のある$14,000が下値目途になります。
VIX指数は一時、30付近まで急伸しました。
週足チャートでもボリンジャーバンド3σを突き抜けたイレギュラーな動きだったことがわかります。
昨年10月や今年4月の調整局面では21~23だったので、それを超える急変動が起こっています。
これまではVIX指数が12~14付近とヘッジしている人がほとんどおらず、下落耐性が無いまま急落して投げ売りがかなりでてしまっているように思います。
個人的には過剰反応して売られ過ぎていると思うのですが、予想を超えて動いていくのが相場です。
大統領選挙前に一旦押すのは恒例ですし、VIXの急伸したこのあたりは買い時だと思って金曜日に買い増したのですが、結果的には早まったことになりました。買い増して1日で5%も下げているのはショックが大きいです。
ドル円は最高値から約17円下落しています。
僕の持っているナスダック100は高値から25%ほど含み益が減っていますが、そのうちナスダック自体の下げは15%、円高による下落の影響は10%といったところです。
日銀が利上げに対してかなりタカ派だったこと、そしてアメリカの雇用統計が悪く利下げペースの加速が相まって、ドル円の下落圧力が高まっています。
先週は一度反発する動きをしたものの10日線で売られ、サポートラインを割ったところで投げ売りが始まりました。150円のキリ番もサポートされず、止まる目途が無いのが現状です。
年初からはじまった上昇トレンドを巻き戻す動きになっており、フィボナッチ76.4%の下げラインの145円でとまらなければ全戻しの140円まで下落します。
そこから下はほとんどサポートになる目安がなく、月足ボリンジャーバンド-1σの138円、-2σの130円といったあたりを探る動きになります。
【CNN】Fear & Greed Index (https://edition.cnn.com/markets/fear-and-greed)
Fear & Greed Indexは27のFEAR(恐怖)とEXTREME FEAR(超恐怖)の境目まで下落しています。
ナスダックは15%ほどの大きな下落となっていますが、利下げの恩恵によってヘルスセクターなど一部の株ではまだ高値を維持しており、S&P500は約9%下げとかなり耐えているように見えます。
これは、まだ下げる余地があるともいえるので警戒が必要です。
株価下落のヘッジ比率であるput/call ratioは徐々に上がり0.8付近です。
徐々にヘッジが増えてはいるものの、過去の下落時と比較するとそれほど高水準ではありません。
数値的にはEXTREME FEAR(超恐怖)水準まできているものの、まだ上値目途があり、つまり株価がさらに下落する可能性があります。
この数日で、国債への資金流入が急激に増えています。
アメリカの雇用統計が悪く、米金利が急落したことが原因です。金利が下がれば国債は値上がりしますから、キャピタルゲインが期待できます。
put/call ratioの伸びは遅いものの、国債への資金流入は株価が多きく下落した昨年の10月や今年の4月を超えています。
総合的に見るとそろそろ今の調整局面の底値付近だと僕は見ています。大統領選挙前に例年はいる調整が一足早くきたのかなと楽観視しています。ただ、ここまで大きな下落だとV字回復はしずらいので、ダブルボトムを作る動きになりやすいのかなと思います。
買い増しを検討している方は、複数回に分けた方が良いかもしれません。
今週の重要経済指標は少なく、アメリカでは今夜の7月ISM非製造業景況指数(総合)くらいです。市場予想では51と回復が見込まれていますので、予想どおりならば株価も持ち直しそうです。
このまま株価が低迷しながらお盆休みに入るのはつらいですね。なんとか持ち直して欲しいものですがどうなるでしょうか。
- 8/5(月)23:00 7月ISM非製造業景況指数(総合)
【GMO外貨】経済指標カレンダー(https://www.gaikaex.com/gaikaex/mark/calendar)
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