【8/26】ナスダック100チャート分析-2024年

投資

ナスダック100は急落、急騰という非常にボラティリティの高い期間を経て、この10日ばかりは横ばい相場となっています。

23日には世界の主要国の中央銀行総裁が集まるジャクソンホール会合が開催され、パウエルFRB議長が9月利下げを明言しました。

FRBは過去のインフレやバブル期をうまく乗り切ることができず、金融ショックが起ってから緊急利下げを強いられるということを繰り返してきました。しかし、今回は経済への大きな影響が無いままうまくソフトランディングが達成できそうです。

利下げされれば企業のローン負担は減りますから、株価には好材料です。もしも、ソフトランディングとなれば、株価の下落が無いまま値上がりが期待できますから、これから大相場になるかもしれません。

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9月利下げはもはや市場に織り込まれており、今後はどのくらいのペースで実施されるかという点が注目されています。

会合ごとに1段階づつの利下げが実施され、年内に1%、1年後にはトータルで2%の利下げが織り込まれており、来年の政策金利は3.00~3.50あたりで落ち着くと予想されています。

8月頭に発表された雇用統計では、7月の雇用が鈍っていることから景気後退が懸念されましたが、その後の経済指標ではどうやらそこまで深刻ではないと見直され株価もリバウンドしています。

直近のニュースでは3月までの雇用統計が81万人もの下方修正も発表されましたが、すでに半年も経っていることから市場の反応はまったくありませんでした。

ネット上では一部の人がこれはアメリカ政府の情報操作だと騒がれましたが、個人的にはそうは思いません。市場の反応も薄いですし、そもそも政府の陰謀だとしたら大統領選挙の直前にこんな発表するわけありませんからね。

僕も参考として株価大暴落を煽るyoutuberを何チャンネルか追っていますが、オオカミ少年のように毎日当たるまで暴落を叫ぶだけで一向に当たりません。そもそも、本当に下落を信じていたら空売りをして儲ければ良いだけです。

単に、炎上商法の要領で再生回数を稼ぎたいだけなのでしょうね。

少し話はそれましたが、FRBが利下げを開始すれば基本的には株価には好感します。

しかし、アメリカ株のアノマリーとして9月や10月は弱含むことが多いので注意したいです。ナスダック100も$20,000の節目が意識され一度押し戻されていますし、ここから一気に急上昇はしずらい形です。

かなりの接戦で先行きの見通せない大統領選挙前は利確や持株調整なども入りやすいので、株価はもうしばらく調整や横這い相場になりそうです。

また、過去の利下げ局面では小売りやヘルスセクターは大きく伸びますが、ハイテクはそれほど上がりませんでした。これは、反応の早いハイテクは利下げが実施される前に織り込まれてしまうからでしょう。

実際に、金曜のアメリカ市場では中小株のラッセル2000が3%超の大幅高に対して、ナスダック100やSP500は1%高に留まっています。

小型株やコモディティなどへ一定の資金が移った後で、ハイテクへの資金循環が始まるのを少し待つ展開になるかもしれません。

20240826 ナスダック100 日足チャート

ナスダック100は一度落ち着きを取り戻し、この1週間は$19,500~$20,000の狭い範囲で推移しています。

何度か$20,000に挑戦しましたが押し戻され、しかし10日線あたりでは買い支えられている様です。ここを乗り越えて10日線が50日線の上に乗せてゴールデンクロスを作っていけば強い上昇トレンドになりますがどうなるでしょうか。

ボリンジャバンドは+1σに乗せてはいるものの+2σには届く前に失速しているのでそこまで強さは見られませんが、バンド幅は徐々に開いて上向いてきています。

$20,000を上抜ければ、最高値を追いかける展開になります。

一方で、調整が続くとしても、20日線のある$19,000にはフィボナッチ50%や週足線などの重なりかなり固いように見えます。

逆にこの固いラインを割って下落してくると$17,500あたりまで落ちて下値を試す展開になるので嫌ですね。

20240826 VIX指数日足チャート

VIX指数も横這いが続いています。

VIX指数は、一般的に10~20が平常な状態と言われていますので、株価の急落局面は一旦は落ち着いたと言えます。

ただし、ボリンジャバンド幅は広がっており、上にも下にも動きやすくなっているので、20や30に急騰して株価が反応するということは起こりやすい状態です。

ファンダメンタルズではアメリカの大統領選挙前ということもあり、ここから11月まではリスクの高い投資はし難いです。

実際には、株価がどうなるのかを予想するのは困難ですが、アノマリーをチェックしたりテクニカル分析は世界中の人が行っておりますから、市場参加者が似たような心理状態になると株価は結果として動きにくくなります。

20240826 ドル円日足チャート

ジャクソンホール会合でパウエル議長が利下げを明言したことによってドル円も円高に振れています。

一時は5日線が10日線を上回りゴールデンクロスを作る形となりましたが、20日線に押し戻されたまま失速し、今ではデッドクロスになってしまっています。

ボリンジャーバンド-2σ付近まで落ちてきている今は上にいくか下に行くかの瀬戸際です。

ここで反発すれば上か横ばい、ボリンジャーバンド-2σで支えきれずに下落していくと140円割れを試す展開になります。

アメリカの利下げはかなりの部分を織り込んでいるので、個人的にはこれ以上の大きな下落はしにくいと思っています。円高要因としては日銀の再利上げや、トランプ大統領が再選してドル安誘導などが考えられますが今のところ不透明ですね。

また、日本の総裁選の結果次第で為替も動くかもしれません。元財務官僚で緊縮財政派の小林議員が首相になれば円高になりますし、積極財政派の高市議員などが当選すれば円安に振れるでしょう。ただ、首相になるとなんだかんだバランスを取るようになったりする人も少なくないので予想は難しそうです。

どちらかというと積極財政派の方が思い切ったことをしやすいので円安優勢なのかなと思ってます。

現在のところナスダック100は反発してきていますが円高によって相殺されており、円建てで生活している日本人の資産はあまり変わらないというちょっと残念な形になってしまっています。

年初と比べると一時は35%ほどまで含み益が膨らんでいたのが、今は15%くらいです。15%でも結構な値上がりなんですけどね。

【CNN】Fear & Greed Index (https://edition.cnn.com/markets/fear-and-greed)

Fear & Greed Indexは53のNEUTRAL(中立)水準です。

10日前は株価は同じ水準でしたが34のFEAR(恐怖)だったので、市場としては慎重になりつつあるようです。

急速なV字回復で楽観論も増えてきているので、個人的にはこういう時はちょっと警戒感を持った方が良いように思います。

特にSP500はすでに新高値を伺うような位置まで戻しており、そこで売りが出されればナスダックもつられて下落するかもしれません。

put/call ratioは0.69まで下落してGREED(強欲)状態です。

株価の急反発と共に、ヘッジも急減しているようです。0.7付近まで落ちると警戒感が出てきやすいので、短期的に株価は上値を抑えられるかもしれません。

0.7~0.8付近を上下しながらゆっくりと株価を押し上げる形が理想です。

景気後退懸念と株価の急落によって急速に米国債へ資金が流入しましたが、今は落ち着きを取り戻しつつあります。

利下げされれば国債の利率や値上がり幅は縮小していき魅力は下がるので、しばらくしたら株へ資金が戻ってくると思います。パウエル議長が利下げを明言したものの、国債の値上がりは株価よりも少なく、もうかなり織り込まれている様です。

今週は重要な経済指標のGDPとPCEデフレイーターの発表が木と金にあり、またエヌビディアの決算も28日にありますから大きく株価が動きそうです。さらに来週は月が変わり雇用統計も控えており目が離せません。

  • 8/29(木)21:30 4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値)
  • 8/30(金)21:30 7月個人消費支出(PCEデフレーター)

【GMO外貨】経済指標カレンダー(https://www.gaikaex.com/gaikaex/mark/calendar)

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