先週のナスダック100は狭い範囲での横ばい相場でした。
4~6月期のGDPや、PCEデフレータは底堅い経済が確認されましたし、注目されていたエヌビディアの決算も無事通過しましたが、結果的に株価はそれほど動きませんでした。
本番はやはり今週金曜に発表される雇用統計でしょうね。
【CME FEDWATCH TOOL】AGGREGATED MEETING PROBABILITIES
いよいよ9月18日に開かれるFOMCで利下げが実施されます。パウエル議長も利下げを公言していますし、見送られるということはまず無いでしょう。
市場予測では1段階の0.25%利下げが濃厚です。
年内では1%の利下げと0.75%のどちらかで揺れているところですが、それほど影響は無いように見えます。利下げはもちろん経済や株価にとってプラス要因ですが、あまりにも急速に下げると景気後退懸念に繋がってしまうので難しいところです。
また利下げが実施される段階で恩恵を受けやすいのは小売業やヘルスセクター、コモディティなどが中心になっており、ハイテクの集中するナスダック100は伸びずらいという特徴もあります。
ナスダックは早めに織り込まれる特徴があり、今伸びているセクターは出遅れているというのが実際のところでしょう。
7月までの勢いが鈍化してしまってやきもきしてしまっている人も多いと思いますが(僕もそうです)、株式投資ってそういうものですよね。
下落や横這い相場はつまらないですが、時間が経過することで実体経済の拡大やインフレがすすみ、株価としては割安感が出てきます。その間に給与や配当などが出れば投資家のキャッシュも積みあがっていくので、次に高値を更新する時に急騰するエネルギーとなります。
アメリカの大統領選挙までもまだしばらく時間がありますから、それまでは一喜一憂せずにじっくりと待つのが良さそうです。
ナスダック100はこの2週間は$19,000~$20,000の狭い範囲で推移しています。
$20,000で売りが入り下落してしまいましたが、20日線に支えられて反発してきました。
主な移動平均線が横ばい、ボリンジャーバンドも平たんになっており、上下どちらにもうごかない状況です。良く言えは安定、悪く言えばつまらない相場ですね。
これは8月の雇用統計をきっかけに大きく下落したことが意識されているのだと思います。
ファンダメンタルズが強く意識されているので、テクニカルで取引するのはちょっと難しいですね。ボックス相場でのデイトレであれば、$19,000で買って$20,000手前で売るという感じになりますが値幅はそれほど期待できません。
ここでは、雇用統計で大きく相場が動いた場合のシミュレーションをしてみましょう。
もし好材料が出れば、$20,000を上抜いて高値更新を狙う動きになります。さらに急伸すれば$21,000~$22,000あたりがターゲットになってきます。
景気後退懸念が再発すれば、直近安値の$17,500まで売られるかもしれません。2番底で反発するのか、さらなる急落になるのか激しい相場になるかもしれません。
もちろん、9月の雇用統計だけで大きく動くわけではありませんし、大統領選挙前の警戒感もありますので、横ばい相場がしばらく続く可能性は大いにあります。いずれにせよ、さまざまなシチュエーションを想定しておくことで、相場に翻弄されて焦って投げ売りしてしまうといったミスも減らせます。
VIX指数も横這いが続いています。
安定した相場が続いていますが、やはりナスダックは比較的値動きの激しい銘柄なので1日で2~3%動くということはあります。
月足チャートで見てみると、ボリンジャーバンドが急速に縮んでいるのが気になります。先日の急落があったものの、急反発したのでバンド幅には影響がありませんでした。
収縮の後には拡大が待っていると考えると、年後半から来年にかけて少し荒い相場が来るかもしれません。
ドル円は利下げスケジュールが織り込まれたところで、2番底をつけて反発してきました。形としてはダブルボトムとなっており、上昇期待がチャートから読み取れます。
ちょうど5日線が10日線の上に乗せてゴールデンクロスを形成しようかというところですが、20日線に頭を押さえられており上値は重そうです。
ボリンジャーバンドもかなりスクイーズしていおり、上にも下にもいけない状態になっています。
上がっても+2σのある148.8が限界で、150円には届かなさそうです。下は-2σのある143.4あたりで支えられそうです。
9月の2段階利下げの可能性が下がっているのも円安要因です。実際に利下げされても0.25%に決まれば、0.5%にかけていた人たちの損切が入るので円安に動きそうです。
ドル円は最高値から1ヶ月という短期間で20円も下落してきており、RSIは50を下回って売られすぎのサインになりつつあります。特に週足RSIは15まで下がっており、割安感が続いています。短期的には150円~155円くらいまでの反発はありそうです。
【CNN】Fear & Greed Index (https://edition.cnn.com/markets/fear-and-greed)
Fear & Greed Indexは63のGREED(強欲)水準です。
これはS&P500を下に計測しているのですが、ナスダックはほぼ同じような動きをしているので毎回チェックしています。
ダウは高値更新していますし、S&P500もほぼ最高値に迫っていますから、63のGREED(強欲)はそれほど高い数値ではないと思います。
ナスダックは最高値までまだ7%くらいありますからちょっと出遅れてしまっていますね。ハイテクセクターに資金が戻ってくるまでしばらく待たされそうです。
put/call ratioは0.73とNEUTRAL(中立)です。
株価は上がっていますが、ヘッジも微増しており警戒感も伴っているので良い状態だと思います。
楽観しすぎてしまうと7月のような急落を引き起こしてしまうので、0.7~0.8付近で株価が上がってくれるのは理想です。
米国債からの急激な資金流出が起っている様です。
ダウやS&P500の急伸のエネルギー源はここのようですね。
ちょっと動きが行き過ぎているので多少の巻き戻しがありそうです。もし国債の買戻しがあるとすると、短期的に株価が下落するので注意が必要です。
今週は重要経済指標が多いので株価の上下動に注意が必要です。特に金曜日の雇用統計では急激な値動きがあるかもしれませんので備えておきましょう。
普段はあまり見ませんが、4日のカナダ政策金利発表はチェックしておくべきかもしれません。アメリカより一足早く利下げが行われるので18日のFOMCの参考になりますし、もしかしたら先取りして株価や為替が動くかもしれません。
6日金曜日の雇用統計で注目なのは失業率でしょう。市場予想では4.2%となっており、先月4.3%から低下するとされています。この数値次第では株価が暴騰・暴落するかもしれませんので要注意です!
- 9/3(火)23:00 8月ISM製造業景況指数
- 9/4(水)22:45 カナダ銀行 政策金利
- 9/5(木)21:15 8月ADP雇用統計(前月比)
- 9/5(木)23:00 8月ISM非製造業景況指数(総合)
- 9/6(金)21:30 8月失業率
【GMO外貨】経済指標カレンダー(https://www.gaikaex.com/gaikaex/mark/calendar)
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