【8/6】ナスダック100チャート分析-2024年

投資

昨日は日経平均が一時5000円の暴落をし、終値で12%を超える大暴落となる歴史的な一日でした。

さらに今日は取り戻すように10%のV字回復をしており、市場に振り回される展開になっています。

僕は普段、チャート分析は1週間に一度じっくりするくらいなのですが、非常に値動きが激しいので改めて分析しなおしてみます。

直感的には、ニューヨーク市場ではそれほど下落せず先物では反発してきているので、それほど悲観する状況ではないのかなと思っています。

【CME FEDWATCH TOOL】AGGREGATED MEETING PROBABILITIES

昨日と比べると、利下げ確率が若干下がっています。これは、昨日夜に発表された7月ISM非製造業景況指数の数値が良く、景気後退懸念が減ったからです。

これが今日の日本株の反発にも大きく影響していそうです。

もともと、先週金曜の雇用統計が悪かったことで暴落し、週末を挟んで投資家心理が悪化したことで、昨日月曜のパニック売りが発生しました。

つまり、アメリカの景気後退がそこまで深刻じゃないぞとなれば、むしろバーゲンセールの仕込み時ということになります。

ナスダック先物も、昨日は東京市場では最大6%ほどの下落となっていましたが、ニューヨーク市場では経済指標が良かったこともあり3%ほどの下落で留まりました。通常の相場であれば指数が3%落ちるというのは大きいのですが、ボラティリティが高い今の状況なら悲観する数値ではありません。

また、今日の東京市場ではナスダック先物が1.85%ほど上がっており、昨日の下げをほとんど取り戻す動きになっています。

昨日は投げ売りに乗って空売りを仕掛ける人もいたと思いますが、こうも大きく反発すると売り方も慎重になるでしょう。今週は重要な経済指標もありませんし、相場は一旦落ち着くのかなと思います。

今の相場はファンダメンタルズに大きく揺さぶられているので、これからは経済指標や要人発言がより重要になっていくのかなと思います。

20240806 ナスダック100 日足チャート

昨日はナスダック100先物が東京市場で大幅に下落し、一時は6%もの下落でボリンジャーバンド-3σにタッチしています。

ただ、結果的に終値では-2σの上で引けており、今日の東京市場では反発して昨日の下げを全戻しする動きになっています。

現時点では長い下髭で底をつけたような動きに見えます。

テクニカル的には、ここから一旦は5日線や10日線に向けた反発を試す動きになりやすいです。10日線を超えていけば安心感が広がり、また空売り勢の損切も入ってくるので上に上がりやすくなります。

4月の$17,000を起点としたフォボナッチでは、昨日の先物で一気に$17,000付近にタッチしており、全戻しを一度済ませている状況です。終値ベースでは76.4%戻しの$18,000を超えており、一旦はこのあたりがサポートラインとして意識されそうです。

日足RSIは低迷しているものの、29まで回復しており、ダブルボトムで下値切り上げているのは良い兆候です。このまま50を超える勢いがつけば強気転換しますがどうなるでしょうか。

20240806 VIX指数日足チャート

僕が昨日、一番注目したのがVIX指数です。なんと、1日のうちに65まで急伸しました!

リーマンショックやコロナショックの時のVIXの値動きを調べましたが、1日でこれほど動いたことはなく、歴史的に残る一日になりました。

経済ショックのある時は30ほどまで上がった後に高止まりし、数ヶ月かけて50~80付近までジリジリ上がっていくとともに株価も下落していく動きをします。

しかし、昨日は欧州時間に50から65まで急伸し、ニューヨーク時間で落ち着きを取り戻して40あたりまで下がってきました。

過去に例が無いのではっきりとは先を読むことはできませんが、ここまでイレギュラーな動きは長く続かないのかなと思います。

これまでVIX指数が12~14といったかなり低水準で推移しており、ヘッジをかける人がほとんどいない状況でした。そこで、急に株価が落ちてしまったのでパニックになったようです。

5%くらいで止まるだろう、さすがに10%が底値だろう……と高をくくっていたら、想定外に落ちてしまい投げ売りせざるを得ない状況になってしまったのではないでしょうか。特に信用取引やレバレッジ商品を持っている人などはここまで急落してしまうと追証やロスカットが発生し持ち続けることはできません。

僕もここまで急落するとは夢にも思わず、先週金曜に先走って買い増してしまっていました。株は想定外のことが起るので難しいですね。

20240806 ドル円日足チャート

ドル円もやや反発しています。

昨日は一時141.6円まで円高が進みましたが、今朝には146円までもどしました。

ボリンジャーバンドは-3σをタッチしたところで反発し、終値では-2σを超えられていないのでまだ弱気トレンドが継続しています。

今日の反発も、5日線あたりで跳ね返されてしまい、ボリンジャーバンド-2σのう上には乗せられていません。10日線はまだ150円付近とかなり遠く、株価と比べるとドル円は下落圧力が強い印象です。

年初に140円を起点とした上昇トレンドのフィボナッチでは76.4%戻しが145円にあり、一つの目安になりそうです。ここで下げ止まれば、61.8%の148円、50%の151円をターゲットに反発していきます。

下落が続くと140円、138円、130円などが下値目標になりそうです。

この円高トレンドの発端となったのは日銀のサプライズ利上げとタカ派発言ですが、円の急騰や株安がどこまで影響するのかは気になるところです。

もともと、市場では秋ごろの利上げが予想されていましたが、前倒しで利上げした上に会見では0.5%も通過点だといった趣旨のタカ派発言をしていました。アメリカの景気後退も懸念されており、日銀が再度ハト派に転じればまた円安に戻るかもしれません。

しばらくは為替もファンダメンタルズに大きく揺さぶられそうです。

【CNN】Fear & Greed Index (https://edition.cnn.com/markets/fear-and-greed)

Fear & Greed Indexは1日で8下がってEXTREME FEAR(超恐怖)です。

これはS&P500を計測した指標ですが、株価は125日線を下回って市場は強い恐怖に支配されています。

資金は株から流出し、国債やヘッジに殺到しているようです。ただ、これらの商品が過熱してこれば逆に株価は底値を打って反発してきます。

put/call ratioは0.8から0.86に急伸しました。

1日の伸びとしてはかなり大きいものの、直近の下落時の数値と比べるとまだ上値余地があります。

ただ、VIXが過去に例を見ない勢いで急騰しておりヘッジはかなり入ってきているので、もしここから株価が下落したとしても下値は限定的になりそうです。

国債への資金流入が急増しています。昨日は-5%だったところが、1日で-8.47%まで落ち込んでいます。

put/call ratioの伸びは遅いものの、国債への資金流入は株価が多きく下落した昨年の10月や今年の4月を超えています。

昨日の7月ISM非製造業景況指数は数値が良かったので金利は上がったのですが、そこで売られる以上に買いが殺到したようです。

総合的に見ると株価は売られ過ぎ、VIXや国債は買われすぎという行き過ぎた値動きになっているような印象です。実際に先物では株価は持ち直して気下り、為替も徐々に巻き戻りの動きがみられます。

確かに昨日は歴史的な大暴落をしたのですが、重要なのは、その原因が何なのかです。アメリカの雇用統計は弱っているものの、リーマンショッックやコロナショックのような金融ショックの引き金になるような情報は今のところありません。

年初から株高が続いており、ヘッジがあまりされていない油断したところで思わぬ下落や円高によって、パニック売がでたのが実情だと思います。

今週は重要な経済指標は無く、株価は上にも下にもいきずらい状況になりそうです。

来週14日水曜の7月消費者物価指数(CPI)、15日木曜の7月小売売上高までは様子見相場ですね。

  • 8/14(水)21:30 7月消費者物価指数(CPI)(前月比)
  • 8/15(月)21:30 7月小売売上高(前月比)

【GMO外貨】経済指標カレンダー(https://www.gaikaex.com/gaikaex/mark/calendar)

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