僕は中学生~高校生くらいの時にオカルトが大好きでした。テレビでは宇宙人や超能力の特集を必ずチェックしていましたし、UMA(Unidentified Mysterious Animal)という未確認動物やオーパーツといった不思議な話に夢中でした。
自宅では七田式の速読法や右脳開発を試してみたり、スピリチュアルの勉強や瞑想の練習、さらには独自に考えた修行のようなものまでしていた時期もあります。神秘思想のカバラなどちょっとディープなところも触れていました。
思い返してみると、幼い頃からよく図書館に行ってファンタジー小説を読んでいたのが始まりかもしれません。小学校5年生の時にはハリーポッターの1巻が発売され、ハリーと同じ11歳だったこともあり熱中しました。一晩で読み切ってしまったのを今でも覚えています。
今までに僕が体験したり身近な人に聞いたオカルト話をいくつか紹介したいと思います。
母と祖母の話
母方の祖母に聞いた話です。
祖父の家系は昔は豪農だったようで、村の中ではいくつかあった庄屋のひとつだったそうです。塀に囲まれた大きな古い家で、敷地内には母屋の他にも建物がいくつか立っているようなところでした。
こどもの頃には、家の中を勝手に歩き回ると怒られました。リビングの奥には仏間があるのですが、亡くなった曽祖父母やら、親戚の誰それの写真がずらりと飾ってあって不気味でした。さらにその先にもいくつか部屋があるのですが、僕はいたずらをするような子では無かったものの、入ってはいけないときつく言われていました。
長い縁側廊下の突き当りには、今は使われていない昔のぼっとん便所の名残があり、その反対側に階段がありましたが、跳上げ戸で塞がっていて一度も2階に上がったことがありません。大きな家なので外の光が中まで入ってこず、いつも薄暗くて肌寒いので僕もあえて冒険しようなんて思いませんでした。
祖母の家に泊まって嫌だったのは、夜は仏間で寝ないといけないことでした。線香の残り香が漂い、布団も防カビ剤の強い匂いがついていてなかなか寝つけません。
風が吹いているわけでもないのに、ギシギシと家全体が鳴り、ネズミが住み着いているようで天井からカタカタと足音がします。
どうしても寝れなかったので、祖母に音が怖いと言ったことがあります。
すると、あれはずっとこの家に住み着いているんだ、と教えてくれました。何か見ても何もするんじゃないよ、別に悪いものじゃないから放っておけばいい、と言われたのを覚えています。
その時はあまりよく理解していなかったのですが、どうやら座敷わらしのようなモノが憑いているそうです。昔話のように何かしてあげると幸運を運んでくれる、なんてことはありませんが、ぞんざいな扱いをすると悪いことが起こってしまうかもしれません。
触らぬ神に祟りなし、ということのようです。僕はそれからも、一度も何かを見たことはありませんし、どこまで本当の話かもよくわかりません。
他にも、表の門と裏口に盛り塩がしてあったり、敷地内に古い祠があるなどちょっと変わった雰囲気のある家です。調べてみると、近辺は鎌倉時代の文献には載っているくらい古い土地のようなので、言い伝えのようなものがあるのかもしれません。
僕の母は視える人のようで、心霊体験をいくつかしたことがあるそうです。母方は何か特別なものを受け継いでいる血筋なのかもしれません。
母が小学生の頃の話です。
ある日、花壇の世話をしていたところ、花から線香の匂いがしたそうです。家の外ですし、どこかから漂ってきたものでもなく、間違いなく花の中心から香ってきたと言っていました。
そして、その数日後に母の祖母が亡くなったそうです。
気持ち悪いなと思ったものの、はじめは偶然だと考えました。でも、その後にまた同じようなことがありました。花から線香の香りがし、その後、また親族が亡くなったのです。
このような体験はその時に限り、他に何か悪いことが起きたわけではありませんでした。これが何らかの予知のようなものなのか、不思議な話です。
そんな体験があったからなのか、母はオカルト好きになりました。友達とこっくりさんをよくやっていたそうで「本当に勝手に動くんだよ」と言っていました。また、中高生になってからはタロット占いにかなりハマっていたそうです。
母は結婚した後に、エホバの証人という宗教に入りました。
エホバの証人(エホバのしょうにん、英: Jehovah’s Witnesses)は、1870年代にアメリカ合衆国でチャールズ・テイズ・ラッセルを中心に発足したキリスト教系の宗教団体である。
エホバの証人 – Wikipedia 2024年1月25日22:07
エホバの証人の教義では、他の宗教やオカルトなどは悪魔が仕掛けている誘惑だと教えています。そのため、入信する際に母はこれまで集めていたタロットカードなどをすべて捨てました。
そしてある日、母がエホバの証人の勉強をしていたところ、部屋の中にあった戸棚が勝手にガタガタと動き出したのです。
祖母の家は昔から仏教ですし、娘が新しい宗教を持ち込んだということで前述の座敷わらしが怒り出したのかもしれません。悪魔が嫌がらせしに入ってきたと思った母は、部屋から出ていくように神に祈ったところ、しばらくしたら棚は静かになったそうです。
また、何年かに一度催される大きなエホバの証人のイベントに参加した際に、光り輝く人を見たことがあるそうです。神が遣わした御使い(いわゆる天使)が祝福しに現れたのだと信じています。
こんなことが現実にあるのでしょうか。正直、かなり疑っています。でも、実の母親が息子にこんな嘘をつく理由もよくわかりません。ネット上で似たような話があるかもしれないと調べましたが見つかりませんでした。
僕自身も小さい頃は母に連れられてエホバの証人の教会に通っていましたが、このような体験をしたことは無く真相は未だにわかりません。
僕の体験談
祖母や母のオカルト話を聞いていたので、僕は半信半疑ながらも、そんな体験を自分でもしてみたいと色々と調べたり試してきました。
一度だけ、本当の予知夢を見たことがあります。
小学3年生の頃、ポケモンが大ブームとなり、色々なグッズが市場に登場していました。僕はその時、兄弟と一緒にポケモンカードを集めていました。
10枚入りのカードパックが300円くらいでしたが、おこずかいが1週間に100円でしたので高く感じました。また、ポケモンカードをプレイするためにはエネルギーカードが必要でしたが、1400円のスタートデッキを買わないと手に入りませんでした。
コツコツとおこずかいを貯めてやっと買えるのは3ヶ月後です。来る日も来る日も、その日を待ち望んでいたある夜、夢を見ました。
僕は並木道を歩いて近所にあるゲーム屋に早足で向かっていました。かなりハッキリとした夢で、周囲の様子は現実と見間違うほどでした。お店に入ると、レジ横に置いてあるポケモンカードのデッキを手に取り、お会計をお願いします。
やっと買えた!と喜び勇んで、その場で箱を開けました。スタートデッキは高額でしたが、エネルギーカードが入っていることに加えて、必ずレアポケモンカードが1枚入っているのも楽しみのひとつです。
そこで目にしたのは、エビワラーでした。
レアカードですがその中でもハズレです。ものすごく楽しみにして買ったスタートデッキでしたが、出てきたのが微妙なエビワラーだったことに気落ちして、そのまま目が冷めました。
それからずっと、何か嫌な予感を抱きながら過ごしました。それでも、ポケモンカードにハマっていましたからスタートデッキを買わないという選択肢はありません。
そして実際にポケモンカードを買いに行った日、なんと夢とまったく同じことが起こりました。早る気持ちを抑えられず、会計を済ませるすぐに箱を開けると、エビワラーが出てきました。
これが僕が実際に体験した予知夢です。予知というと、大地震や身内の不幸を当ててしまうといった話を思い浮かべますが、僕の場合はポケモンカードでした。あまり役に立ちませんが、大きな不幸に見舞われるよりは良いのかもしれません。
僕は昔から、よく夢を見ます。
夢の中で未経験の出来事を経験し、その感覚が非常に正確だと感じることがあります。例えば、夢の中でタバコを吸ったことがありました。それまで現実で一度も吸ったことがなかったのですが、夢では頭がスーっとする感覚がありました。
周りの友達がタバコを吸っていたので勧められることもあったのですが、僕は夢で知っていたので興味が湧きませんでした。その事を一番仲の良い友達に話すと「そんなのおかしい」と笑われます。そこで、1本だけ試しに吸ってみることになりました。
タバコを口に加えて、ゆっくりと鼻から息を吸いこみました。するとスッキリとした空気が頭の中に入って気分が良くなります。まるでよく知ったように吸ったので、友達はかなり驚いていました。
稀に明晰夢を見ることもあります。
明晰夢(めいせきむ、英語: Lucid dreaming)とは、睡眠中にみる夢のうち、自分で夢であると自覚しながら見ている夢のことである。
明晰夢 – Wikipedia 2024年1月25日22:07
初めて経験したのは高校生の頃でした。全身がバネのようになり、自分では上手くコントロールできずに部屋中を跳ね回ってしまいました。これが明晰夢なのかと自覚したのを覚えています。
意図的に明晰夢を見ることは難しいですが、見たいと意識するとその可能性が上がるようです。大人になってからもまれに見ますが、昔本気で願っていた頃の方が頻繁に経験しました。
ネット上には明晰夢に関する情報がいくつかありますが、私は自由に好きな夢を見ることが難しいと感じています。ほとんどの場合、夢の中で自覚することと、空を飛ぶことが多いです。ただし、意識が強くなりすぎると脳が覚醒してしまい、夢は続かなくなります。
夢の中は静かな夜の光景が多いです。逆に、眩しいほどの光が注ぐ場面もあります。空を飛び上がると、強い風を感じます。自分の思い描いたイメージが過度に反映されるため、細かな調整は難しいようです。夢の中では自分以外の人を見かけることがほとんど無く、自然の中や人気のない街中を飛び回ることが多いです。
また、明晰夢の中で自分の部屋の物を動かして現実に影響がないか試してみたこともあります。結果的には当然のことですが何も起こりませんでした。
夢をコントロールできるなら、性的な経験をしたいと考える人も多いでしょう。僕も何度か試しましたが、興奮すると目が覚めてしまい、上手くいきませんでした。
最後はオーリングテストというものを受けた時の話です。
高校2年生のとき、僕は鬱になりました。精神的に不安定だった上に、手が震える症状も現れました。最初は通常の病院に行きましたが、経過観察という診断がつき、改善の兆しが見られませんでした。
そこである日、親に連れられてある整体院に行くことになりました。その院ではオーリングテストと呼ばれる独特な治療法を行う先生がおり、予約が難しいと聞いていましたが、連絡を取ると会ってくれることになりました。
外見からは普通の整体院に見え、訪れる患者もほとんどが高齢者で、若い人は僕だけでした。
約2時間待たされた後、先生に呼ばれて診察室に入りました。そこで、人差し指と親指で輪を作るように指示され、その輪を先生が手で広げる仕草をすると、急に立ち上がって僕を引っ張っていきました。
倉庫のような場所に連れて行かれ、僕と先生だけの空間になりました。奥には開かれたままの裏口があり、冷たい風が吹き込んで体が震えました。当時は鬱状態だったため、状況を正確に把握することが難しかったです。先生と目を合わせることもありませんでした。
先生は何も尋ねず、沈黙が数分間続きました。
「自分の信じることをやりなさい」
最後にそれだけ言って、元の部屋に戻してくれました。温かい部屋に戻り、ほっとしましたが、正直なところ、この言葉の意味は理解できませんでした。当時は何か具体的な夢や目標がなく、診察後も何年も鬱や引きこもりの状態が続きました。
その後も様々な経験がありましたが、今は寄り道しながらもなんとか幸福を感じながら生活しています。先生の顔はほとんど覚えておらず、この言葉がやる気を生むとか、何か強い影響を与えたかといえば、振り返ってみてもはっきりしません。ただ、自分の信じることをしてきた人生だったのかもしれません。
コメント